皮膚の浄化

人は良好な生活環境に於いて、皮膚の表面で良性常在菌(CNS)と呼ばれる表皮ブドウ球菌と悪玉通過菌の黄色ブドウ球菌とがバランスよく共存しています。(注:皮膚や毛穴にはその他悪玉常在菌のアクネ菌も棲みついています)
良性常在菌は、特定の生理的調整機能である生体内生理活性により皮脂を餌として皮膚表面の浄化に努め、グリセリンのような分泌物(天然クリーム)を排泄し皮膚バランスを整え、健康な状態を維持しようとしています。
ところが、石鹸洗顔やマッサージ・美容マスク・ピーリングといった皮膚への過剰美容行為から良性常在菌が必要以上に除去されると、表皮バランスが崩れて皮膚トラブルが起こりやすい環境となってしまいます。

健康的な肌を取り戻すためには、ビジネス主導の美容法は避けて自然治癒力を原点とする生理活性に戻り、毛穴深部に溜まった化粧汚れをしっかりと落とし、餌となる皮脂を程よく残す、やさしい洗顔がたいせつです。

皮膚トラブルからの脱却

不適格な化粧品選び、エステ、ステロイド系軟膏剤の過剰使用などいくつかの肌トラブル要因を排除し、健康的なお肌を取り戻したある女性のものがたりです。

2021.04.08 相談当日の画像

状況

幾度となく様々な医療クリニックを訪れ受診しているが、たらい回し状態。 エステでは高額な新しいメニューを勧められ施術するも、悪化傾向にある。

相談内容

額から顎先にかけ大粒なニキビ(?)が顔全体を覆い炎症を繰り返している。
肌表面は凸凹、毛穴が目立ち、カサツキがひどい。
母親も似たような肌質なので遺伝ではないかと諦めているが、学生時代から透きとおるような白い肌に憧れ、深刻に悩んでいる。

セラピーの一端

化粧品やエステなどの弊害は言うまでもないが、思春期から使い続けている薬の影響は計り知れず、まして相談相手の見誤った肌質判断から生じた無責任なお手入れが一気に重なり、重度のセンシティブスキン状態にある。
(不勉強に伴う禁忌な事柄:ニキビと吹出物は全く正反対のケアと心得る)

助言

自分自身に備わる自然治癒力を信じ、化粧品や薬を一過的に頼らないこと
憧れの肌に近づくには、薬の使用から現在に至る迄の2倍40年覚悟のこと

対処の基本

  • 人間を含む哺乳類は自力で汚れを落とす機能を持ち合わせていないこと
  • 肌の美しさは深部の傷をリペアしたあとに現れること
  • その美しさは幼児のような肌の柔かさに加え強靭な皮膚の再現にあること
  • 脳が皮膚連動を起こすまで脳に愛情を注ぎつつ自然の治癒力に委ねること
  • 口紅以外のメイクアップは暫くご法度のこと
  • 以上の基本的概念を以て肌調整に取り組むこと

2021.04.28 相談日から20日後の画像

状況

相談当日に伝えていたように予測していた症状ではあるが、思いのほか悪化傾向にあり膿も出始めている。

相談者の意向

度々起こることなのでアドバイスに従い、リラックスしながら続けたい。

助言

この状態を俗に抗体反応と片付ける向きもいるが、相談を受ける身としては真摯に向合うべく抗体反応という逃げ口上的な弁解を決して良しとしない。
活性力を信じ脳が活動するときまで続けられるかの意志が重要であること

2021.05.18 相談日から40日後の画像

本人評価

次から次へと出てきた吹き出物が全く出なくなり、驚いている。
薬の使用を止め1か月以上になるが問題は起きていない。

助言

長期間使用の軟膏による皮膚深部に残る色素沈着は、改善に限界はあるものの可能性を追求したい。
気が付かないうちに洗顔方法が元のやり方に戻る時機。

  • もう一度洗顔動画を確認し見直すこと
  • 今まで通り諦めず、あと40年愛情を注ぎつつ脳を誑し込むこと

2021.07.11 相談日から95日後の画像

状況

頬と顎以外は吹出物の形跡がなく、お顔全体に白さが戻ってきている。
皮膚の色を首と同じようなトーンに近づけたい。

本人評価と悩み

薬を塗らなくても肌の痒みが全く気にならなくなった。
肌全体の赤身は少し治まってきたが、吹出物の跡の赤じみを消したいので美容整形外科に行ってクレーター処理を受けたい。

助言

画像アップして細部を視診ところ、壊死した表皮が剥離しはじめている。
幼児の肌に似た柔かな肌が現れる兆しであり、短期間での結果は優れた自然治癒力を備えている証しでもあることから、尚一層改善の余地が望めそう。
次々と求めるものが多くなることは承知できるが、健康肌に戻りつつあるこの時期に大枚をはたいてまでの危険な医療行為は論外、時期尚早、辛抱々々。欲望に限界はないが、願望意欲こそ幸福感が高揚するもの、それもよし。
将来的に、外科処理にも耐えられる強靭な肌になる効率的活性法は向こう残り39年、脳を甘い言葉でほめ殺し、誑し込み、覚醒させること

2022.07.08 相談日から450日後の現状

コスメ好きな女の子たちに感謝とお詫び

長文にお付き合いくださり感謝します。
ご相談者様は、薬を使用せずとも支障のない生活をお過ごしになられています。 
既にお化粧することも何の弊害もありません。
現状の画像は薄くファンデーションを塗った状態です。
素肌をお見せしたいのですが、彼女の女子としての心緒をお察しください。
また、プライバシーポリシーにおけるコンプライアンスにより顔全体の回復状態をお見せできないことも残念至極です。
元々お顔立ちが美形なこともあり、一段とお美しい女性になられました。
日焼けは一年中注意するよう助言しつづけています。

追記
化粧品弊害の一例として化粧水がいかに不要な商い物なのか以下に記しました。
反論される方もおられることでしょうが好々爺の私見として参考にお読みいただければ幸甚です。

皮膚内部の水分

人の細胞の数は体重60㎏の標準的な大人で60兆個(体重に相対する根拠のない推定)とも37兆個(2013年ビアンコニ論文)とも言われています。仮に60兆個の細胞が新しく生まれ変わるとすれば、2個の細胞が46回 分裂する数に等しく、日々休む暇なく増減を繰り返しています。
ところが、分裂後の生育停止(ヘイフリック限界といわれる細胞老化)や紫外線など外的要因を含む数々のストレスにより細胞は減少しつづけ、肌細胞に至っては、成人になる前に最も影響の大きい人は半分以上減少するとの事例が論文等に記されています。
皮膚表皮中の水分(天然保湿因子NMF)は、細胞内シグナル伝達分子スフィンゴ脂質の中心的役割を担う角質層の主成分であるセラミドに挟まれ留まり、そのNMFが肌の潤いを保っています。
天然保湿因子NMFを挟み込んでいる角質層の主たる機能は、微生物侵入を防ぐためのバリア形成に他ありません。
そのバリアが水の侵入をも拒みつつ乾燥などによる過度の水分喪失(蒸発)を抑制しています。
結果、俗(化粧品会社の偽言)にいう皮膚表面からの水分(化粧水)補給は極めて困難であるということをお分かりいただけることでしょう。
敢えて言うとするならば、皮膚表面を水分に浸している状況がいかにも潤いのある肌のように感じさせるトリックなのかもしれません。

考察

水分量を保持し健全かつ潤いある美しい肌を保つための美容法は、細胞数減少の抑制(テロメラーゼ活性)と細胞再生に努め、年齢を重ねるごと痩せ衰えるセラミドの健康維持と機能低下の抑制が最も理に適っています。

皮膚の構造